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2016 / 02 / 26/ 金

マッシブ・アタック(Massive Attack)の新しいPVをみた。スコットランドのヒップホップトリオ、ヤング・ファーザーズ(Young Fathers)も参加した曲だ。映画『ゴーンガール』で高い評価を得た女優:ロザムンド・パイクが踊り狂うさまが鮮烈だ。

♪♪♪

『Voodoo In My Blood』-Massive Attack, Young Fathers

♪♪♪

不穏な音にのせて靴音が響く。少し疲れた様子もみえる美人が地下道を歩いてく。彼女は時折、不安な表情で振り返る。何かに追われているのか?ただごとならぬことが起きそうな雰囲気。

突然、無機質な壁から色彩と幾何学模様ののエリアになる。彼女の眼前には金色の球が浮かんでいる。それをみて、とりつかれたように笑う彼女。しかし、球体からの一撃をうけ、一筋の涙をながしたあと、身体を振り回しはじめる。

それは踊っているとは言い難い。踊らされているとしか思えない動きだ。自らの意思とは関係ない。まるで痙攣のような。コンテンポラリーダンスにもみえるが、精神病患者の発作にもみえる。こわい。目が離せない。

♪♪♪

美しく浮かぶ金色の「それ」。「それ」につきまとわれる身体は、エクソシストの少女リーガンのように、あらぬ方向へひきずらり回され、押し返される。彼女は「それ」の前では正気でいられない。自分を見失い、髪をふりみだし、胸をかきむしっても、逃れられない。

♪♪♪

「それ」と「彼女」の関係は何の比喩なのだろう。子と親か?夫と妻か?集団と個か?薬物と人間か?あるいは欲望と私か?

どちらかが一方的に暴力をふるう世界で「彼女」の側を演じる者はただただ、振り回されるしかない運命なのか。しかし金色の「それ」もまた、彼女から離れようとはしない。痙攣する彼女を見ることをやめない。

「それ」もまた、自由を失っている。ひとりで浮遊する自由を捨て、彼女につきまとい命令し、支配しつづける不自由に、とらわれているからだ。

♪♪♪

曲名がほのめかすのは、彼女は「呪い」にかかってるということだ。金色の「それ」とは、美しい呪い。

彼女は「呪い」に自ら近づいたのだろうか。YES。しかし「呪い」の方もまた彼女を選んだのだ。

呪いの正体は、「好き」かもしれない。嫌いなことは逃げればすむが、好きはやっかいだ。好んで振り回され、したくもないこともしてしまう。結局、踊らされる。一人で歩く自由は不安だから、一人で存在しているのはむなしいから、すがってしまうのだ。「好き」ということばで。

♪♪♪

祖母が、いやというほど何度もプレゼントしてくれる道徳本には、繰り返し同じことが書かれている。自分をみるな、そうすれば幸福になる、と。

本当にそうなのだろうか。それは、踊らされているだけではないのか。踊らされている自分を見ずにすむから、幸福と勘違いするのではないか。

あたしが美意識として最も影響を受けたパンクスたちは、繰り返し言っていた。「すべてを疑え」と。「Do It Yourself 自分自身であれ」と。

♪♪♪

あたしはずっと、考えている。執着と依存という呪いにからめとられず、相手のそのままを眺めることはできるのだろうか。自分自身である、ということを美意識にするのなら、相手を変えようと工作せず、そのままであることを認めなければ矛盾する。

♪♪♪

あたしと暮らしている人は、「人生は<過ごす>もの」だと言った。

「過ごす」・・・達観にも諦観にも聞こえることばだ。ただ過ごすということができるようになれば、踊らされずにすむような気がしている。

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